理屈ではわかっていても、実際には大きく違うことが多々あります。3Dラボでもデータ上は正確でも、製品になると実際には違うことが起きてしまいます。デジタルなのに、アナログな世界へ皆様をご案内します(笑)
Text/Photo Yasuo Murosaki (StarCraft Kobe)
こちらの画像は、みなさんもご存知のランボルギーニのセンターパネル。これをスキャンしてみたのですが、なかなか面白いことに気づきました。

弊社で使っている3Dスキャンマシンは、0.1mm単位での差を確実に読み取るのでデータとしては「おお!」と自画自賛したくなるようなものが出来上がるのですが、3Dプリンタで出力すると「ありゃ!」となるんです。
よく考えると、デジタルの世界とは言え切削加工と同じことなんだと。金属の切削加工でも0.01mmの世界で進めようとすると0.01mm刃物を出すのではなく加工物の素材や刃物の研ぎ方、接触面積や接触圧を考えます。
もちろん、このセンターパネルを金型で作るのであれば簡単です。しかしそれだと少量生産を安価で仕上げるという結果には到達しません。

3Dプリンターをもう一度見直してデータ修正という作業を経てシボを再現します。本当は厳密に見るとシボの深さはオリジナルから少し離れますがなかなかオリジナルに近いものが出来上がりました。
デジタルな世界なのに、やっぱりアナログな世界で生きてきた経験が重要になってくる。つくづく、そう思う昨今です。

全てをデジタルで解決できないところがまた面白いのであって、これを「めんどくさい」と思わないのがアナログ世代の特徴かもしれません。
弊社では皆様からの3Dスキャン・3Dプリント・製品化などのご用命をお待ちしております。「廃盤部品」と戦う集団、スタークラフトを引き続きよろしくお願い申し上げます。