3Dラボから:ランボルギーニ・ミウラのレンズ

ヴァレンティーノ バルボーニさんのサイン

今回の特集は、ミウラのレンズについて。弊社の3Dラボにて開発を行なった試作品を「ミウラの父」に見ていただきました。

Photo&Text:  Starcraft Kobe

弊社では3Dスキャナーや3Dプリンターを使った部品の再生を行なっています。現存数が少ないパーツはどうしても、このような形で再生を行うのですが、我々ですら風合いに自信がない時があります。

例えばこのミウラのヘッドランプレンズなどもそうです。当時を完璧に知る方に出会わない限りは「これは、いい商品だ」と言えないと思っています。

ミウラのヘッドランプレンズとなると、これはもう誤魔化しようがない。正直なところ、生産コスト云々よりもいかに目の肥えた方に見ていただき「いい商品だ」と言っていただけるところまで突き詰めるしかないのです。

幸いにもオリジナルのレンズをお持ちの方に、レンズをお借りして我々の試作品と比べることができました。そして、レンズを通して見えるヘッドランプの光は、ミウラらしいものなのか。数々の疑問や難題にぶち当たりました。

何枚もサンプルを作り、新車としてリリースされた年代だとこのくらいの透明度であったのではないか、とか劣化の進行も計算に入れて2019年に送り出す商品として進化している商品でなければならない。

そんな中で、ランボルギーニの生き字引的な方とお会いすることができました。ランボルギーニ・ガヤルドにその名を冠したテストドライバーのヴァレンティーノバルボーニさんです。

不躾なのは重々承知の上でしたが、一度私たちの商品に対する理解や精度は正しいのか、見ていただきました。

優しい口調のバルボーニさん、開口一番「ここにキャレロのロゴが入っていたらパーフェクトだね」といたずらっぽく笑い私たちの試作品にサインをしてくださいました。その後のレセプションでも、「一緒に写真を撮ろう!」と気さくに話して頂けました。

小さな事かもしれませんが、私たちの目指すところに間違いはなかったのかな、と思える瞬間でした。製造から月日がたったクルマも、次の世代へしっかりとした形で残していく。当たり前の事ですが、その当たり前のことを忘れずに毎日の作業に生かして行きたいと思う出来事でした。

ヴァレンティーニ・バルボーニさんの記事はこちらから:
https://octane.jp/articles/detail/1804/1/1/1